ケアする人のための「メディカルハーブ教室Ⅳ」は、夏にぴったりのハーブ《月桃》やストレスケアについて学んだあと、参加者それぞれが好きなハーブを選んでブレンドハーブティを作りました。
マスクをしたまま高齢者と会話するのは本当にストレスフルです。
病院内は仕方ないとして、利用者が暮らす家への訪問介護においても、このままマスク必須が日常になっていくのでしょうか…。暑くなって大変ですが、手洗いはしっかりと気を抜かず、アロマスプレーで気分をリフレッシュして、ハーブティで元気回復してくださいね♪
私たちの体には、とりまく環境の変化に対して生体を安定した状態に保とうとする働き(恒常性の維持・ホメオスタシス)があります。
恒常性は、自律神経系(呼吸、体温、消化、排泄など)と内分泌系(ホルモン分泌)と免疫系(防御や抵抗力)の3つの機能のネットワークで維持されています。
このシステムを制御し、バランスをとっているのが脳です。
なんらかのストレス要因(ストレッサー)を脳(大脳)がキャッチすると、視床下部から指令が出て、恒常性を維持するよう対応します。
しかし、ストレッサーにさらされ続けると自律神経やホルモンのバランスが崩れてしまい、免疫力も弱まり、心身の不調をきたすことになってしまうのです。
メディカルハーブは、心身の不調を《バランスの崩れ》と捉えます。
ハーブに含まれるさまざまな成分(フィトケミカル)は、心にも体にも穏やかに働きかけて癒し、バランスを整えてくれます。
複数をブレンドして用いると、それぞれの相互作用によって、より高い効果が生まれるのも特徴です。
今回作ったブレンドのテーマは、「スッキリ♪」「元気」「リラックス」「夏バテ防止」「夏の肌ケア」などでした。
他に、虫よけアロマスプレーや、月桃チンキのローションも作りました。
皆さんがブレンドに選んだハーブを簡単に紹介します。(五十音順)
●オレンジピール:ビターオレンジの果皮で、柑橘系の香りが気持ちを明るくしてくれる。鎮静、消化促進の作用があり、ストレスによる不眠や食欲不振、消化不良に。
●カレンデュラ(マリーゴールド):カロテノイド色素が豊富で、ハーブティは黄金色に。傷ついた皮膚や粘膜、血管を修復し保護してくれるので、肌トラブルや胃炎、生理痛などに。
●月桃(サンニン):抗酸化作用のポリフェノールが豊富な沖縄長寿のシンボルで、抗菌作用も強い。心身の緊張を和らげ、消火器の働きを整えてくれる。夏バテ防止や美容にも。
●ジャーマンカモミール(カミツレ):りんごのような甘い香りで心身をリラックスさせてくれる。ストレスによる胃炎や不眠、冷え症、月経痛などに。
●ハイビスカス:さわやかな酸味とワインレッドの色。エネルギー代謝を促して疲労回復を早めてくれる。便秘や眼精疲労にも。
●ヒース(エリカ):小さなピンクの花が可愛い。美白成分アルブチンの働きで、シミや色素沈着予防に。泌尿器を浄化したり、尿酸の排泄を促したりもする。
●ペパーミント:さわやかなメントールの香りで気分をリフレッシュ。食欲不振や消化不良などにも。
●マルベリー(クワ):DNJが血糖値の上昇を抑制し、GABAがイライラを和らげてくれ、ミネラルも豊富。クワノンという成分がメラニン色素生成を抑制するので美白にも。
●リンデン(セイヨウボダイジュ):安らぎのハーブといわれ、鎮静や発汗・利尿の作用がある。高血圧や不安、不眠、ストレスによる肌トラブルに。
●レモングラス:アジアの健胃剤。食欲不振や消化不良、風邪予防に。
●レモンバーベナ(ベルベーヌ):シトラス系の香りで、鎮静や緩和、消化促進の働きがある。ストレスによる食欲不振や消化不良、不眠などに。
●ローズ:美しい色と豊潤な香りで、女性の悲嘆や不安、恐れを和らげてくれる。鎮静、緩和、収れんの作用があり、神経過敏や便秘にも。ブレンドハーブティに加えると、見た目もゴージャスに。
●ローズヒップ:レモンの数十倍ものビタミンCを含むので、ストレスや炎症によって消耗したビタインCの補給に。シミ予防や便秘にも。
●ローズマリー:強力な抗酸化作用で、「若さを取り戻すハーブ」「記憶力を増強するハーブ」とも。食欲不振や消化不良、血行促進に。
試飲タイムも楽しかったです(^^)
「月桃は、名前から甘いイメージを持ってきましたが、ぜんぜん違いました!」
「ブレンドすると、シングルで飲んだときとは違う味になって面白い」
「迷いながら自分で作るのが楽しいです」
「ブレンドティを作るときは見た目も大事です」
「湯を注いで待つ間の変化を見るのも楽しいです」
それぞれの個性で、見た目も味も香りも違うブレンドハーブティーができました♪
同じブレンドティでも、その日のコンディションによって感じ方が微妙に違うことがあります。
ちょっと飲みにくいなと感じた時は、ハチミツを少々加えてみてもよいです。
ご参加ありがとうございました。
適切な緊張感を維持しながら、自分も仲間も労わりつつ頑張っていきましょう!