4月11日は、第21回「本好きのための読書サロン」でした。今回のテーマは、春の色、幸せの色、黄色でした。
本来は、自慢の本を持ち寄って手に取りながら語り合う会なのですが、SNSで作っている会員グループに投稿する形で、持ち寄りをしてみました。
本への想いがほとばしるような語り合いができなかったのは寂しかったですが、ないよりはまし(^^♪
黄色に励まされまがら、それぞれの日々に想いをはせることができたのではと思います。
ありがとうございました。
持ち寄り本の紹介です。
●はなをくんくん ルース・クラウス/マーク・シーモント 福音館書店
雪の下で冬眠していた森の動物たちが起きだして、はなをくんくんさせながらかけ出した。みんなが集まってきて見つけたのは、小さな黄色の花。モノトーンの絵の中に、ぽっと明るく暖かい黄色が美しい。「ゲド戦記」などの翻訳で知られる清水眞砂子さんが、大学の授業で必ず学生に読んで紹介していたという一冊。この冬を越したとき、共に一輪の花を見つめた喜びを忘れないようにしたい。
●ひとまねこざるときいろいぼうし H.Aレイ 岩波書店
黄色い帽子のおじさんに連れられて船に乗った、こざるのジョージ。好奇心旺盛で知りたがり屋で、片時もじっとしていられないジョージが次々におこす騒動が愉快なロングセラー絵本。
●はっぴいさん 荒井良二 偕成社
ぼくは、山の上の大きな石の上にときどき来て困ったことや願い事を聞いてくれるという“はっぴいさん”に会いに行く。のろのろが、のろのろじゃなくなるように。「のろのろはていねいなんだ あわてんぼうはいっしょうけんめいなんだ ふたりはちいさくわらいました それから おおきくわらいました」 あなたの“はっぴいさん”はどこにいますか? 自分の中に? 大切な人の中に?
●きょうはそらにまるいつき 荒井良二 偕成社
ふと見上げた空に、まるいまるいお月さま。いろんな場所で、いろんな人たちが、いろんな動物たちが、この満月を見つめている。地球にふりそそぐやさしい月の光に想いを寄せるとき、他者へのまなざしはきっとあたたかいはず。
●きょうのぼくはどこまでだってはしれるよ 荒井良二 NHK出版
愛馬“あさやけ”とともにお祝いの旅に出た“ぼく”が、たくさんの幸せに出会う。豊かな色彩とやさしいまなざしで描かれた心温まる物語。「きょうもあしたも特別な日。毎日はかがやいている」…あたりまえだったことがあたりまえじゃなくなった、今このときを大切に過ごそうと思う。
●はるかぜさんぽ えがしらみちこ 講談社
黄色い帽子 黄色いちょうちょ 黄色い花々 そよそよ さわさわ 春の風に誘われてさんぽに出よう。 身近な自然に五感を開いてみよう。
●おとん 平田昌弘/平田景 大日本図書
大好きな“おとん”の呼び方を変えてみると、パパ、おとうさま、ちちうえ…。親子の日常のかかわりが関西弁の会話になっている楽しい絵本。「おとん」「おかん」「おとんとおかん」シリーズとあるが、ひとり親世帯が増えてきたため、読み聞かせでの出番は少ないのだとか。子どもの頃から「やさしいお母さん」みたいな話を敬遠してきた私は、ごく最近まで絵本が苦手だったけれど、このサロンのおかげで手に取るようになって世界が広がった♡
●ちいさなきいろいかさ もりひさし/にしまきかやこ 金の星社
大好きな黄色い傘を買ってもらって、初めて一人で散歩に出た女の子。雨の中を歩いていると、いろんな動物がやって来た。どんなに大きくても背が高くても、形を変えてちゃんと入れてくれる不思議な傘。こんな度量が、私にも必要なんだなあ。
●おしっこの放物線~老いと折り合う居場所づくり~ 村瀬孝生 雲母書房
福岡にある“宅老所よりあい”の所長が、お年寄りと暮らす日々のエピソードを笑いと涙に包んで語る。“よりあい”に入所予約しているという詩人・谷川俊太郎さんが「そんじょそこらの小説よりはるかに面白い!」と絶賛。老いと折り合う“よりあい”の本は、介護にかかわる人は必読!
●銀杏手習い 西條奈加子 祥伝社
銀杏の大樹が看板の手習い指南所「銀杏堂」の後を継いだ一人娘が、子どもたちに“読み書き算盤”を教えることになる。さまざまな事情を抱えた子どもたちに向き合い寄り添う、若き師匠の奮闘を描く時代小説。子どももオトナも、人との出会いで成長していく。
●あなたは何で食べていますか?~偶然を仕事にする方法~ 有北雅彦 太郎次郎社エディタス
世の中には様々な仕事があり、食べていく道がある。ちょっと変わっているけど楽しい働き方で食べている先輩たちに直球で聞いてみた。「はじめたきっかけは?」「収入はどれくらい?」「いま、幸せですか?」…何が楽しいかとか、どういうのが楽(らく)かとか、人それぞれ違うのだけれど、本を通して、いろんな人のいろんな人生を知ることができる幸せ。
●ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー ブレイディみかこ 新潮社
優等生のぼくが通い始めたのは、人種も貧富もごちゃ混ぜのイカした「元・底辺中学校」だった。単身イギリスに渡って保育士資格をとりライターとなった著者が、中学生の息子や友人たちの日常を描いた本。多様性とは、シンパシーとは、友情とは。『君は僕の友だちだからだよ』…深くて軽やかな中学生の言葉にグッと来て教えられる。
●きいろいゾウ 西加奈子 小学館文庫
海に近い小さな町に移り住んだ若い夫婦の、ちょっと不思議な物語。背中に大きな鳥のタトゥーのあるムコさん。生き物の声が聞こえてしまう不思議なエネルギーをもつツマさん。二人をとりまく人々も、子どもからお年寄りまでみんな個性的で、楽しくて切なくてあたたかい加奈子ワールド。
小説の中に出てくる童話「きいろいゾウ」は、著者本人の作で絵本にもなっている。満月の夜、女の子の願いをかなえるためにやってきた空を飛べる黄色いゾウのお話。
●せかいねこのひ 井上奈奈 新日本出版社
世界中の人が「ニャー」としか言えなくなったら…どんな地球になるのかニャ。
⇒過去記事「ねこを手本に」