ある朝めざめたら、みんな言葉を忘れていました。
話そうとしても、出てくるのは「ニャー」だけです。
困った人たちは、「こんな日は、猫を手本に過ごそう」と決めました。
おなかがすいたとき ねむたいとき うれしいとき イライラしたとき 誰かとわかりあいたいとき…
猫はどうしているのかな。
私はどうしているのかな。
世界中の人が猫をお手本にする「せかいねこのひ」は、学校も仕事もお休みで、戦争もありません。
『せかいねこのひ』井上奈奈/新日本出版社
世界中の人が「ニャー」という鳴き声だけでコミュニケーションする「せかいねこのひ」。
おふく文庫「にゃんこ本コーナー」の一冊で、次の読書サロンに持ち寄る予定♪
今月の読書サロンのテーマは“黄”です。
にゃんこが可愛いのはもちろん♡、どのページも黄色がとても美しく印象的な絵本です。
「言葉」を便利に使うことで、ほんとうのことを見失っていないかな。
便利な「言葉」に振り回されて、不自由になっていないかな。
ねこを手本に一日を過ごすことができたら、もっともっと、“いまここ”を大切にできそう。
ちゃんと自己主張しているのに、他の人を傷つけないコミュニケーションができそう。
見つめるだけで、「どうしたの?」って言えたらいいなあ。
ゴロゴロ鳴らすだけで、「大丈夫だよ」と伝わるといいなあ。
『つぎのひのあさ ことばを おもいだした ひとびとは 「きのうは ほんとうに しあわせな いちにちだったねぇ」と くちぐちに つたえあいました』とさ。おしまい。
ニャー