2月11日、クロちゃんが死んだ。
推定10歳♂
ネコエイズ(免疫不全)とヘモプラズマ(溶血性貧血)に感染していて、重症の貧血と黄疸と腎不全でした。
昨年7月に「おふくネコ」として迎え入れました。
⇒ 過去記事「ただいま修行中」
皮膚病や口内炎の治療をして元気になってきて、私以外の人にも慣れてきたと思った11月末、まさかの黄疸発症。
クロのことを気にかけてくださった皆さま、やさしく見守ってくださった皆さま、ありがとうございました。
この写真は、毛並みも良くなり食欲も出ていた11月中旬のもので、大好きなネコ用ミルクを飲んで満足気な表情。
鼻の頭の白い点は、ミルクです。
このままのんびり過ごしてもらえるものと喜んでいた矢先、食欲が落ちてきて大好きなミルクにも顔をそむけるようになりました。
水も飲まなくなったとき、タオルで包んで無理やり流動食を口に入れる強制給餌をやりました。
ぐったりしているからやれるかなと思ったのです。
でも、その時の抵抗の仕方は相当に激しかったです。
3日目には顔を見ただけで逃げられてしまい、強制給餌はやめて、注射や点滴に変更。
洗濯ネットに入れて連れて行けば、ネットの外側から処置することができたので、ほぼ毎日通院しました。
現状維持という感じで1か月余り過ぎた日、注射をしようとした獣医師に向かって、初めて唸り声を出したのです
「もうやめてくれと言っている」そう思いました。
獣医師からは「投薬である程度進行を抑えることはできるが、いずれ限界がきます」と言われていました。
「もう痛いことはやめます」獣医師に言って、通院をやめました。
次々に、いろんなキャットフードを買ってきては試しました。
新しい種類のものを見つけてきて出すと、口をつけてはくれるのですが、すぐに顔をそむけてしまいます。
たぶん、「やれやれ」という感じで付き合ってくれていたのかなと思います。
そのうちに、食べる間隔が3日に1回くらいになっていきました。
1回に食べる量も、ほんの10gくらい。
そんな日が2週間くらい続きましたが、食べる日は、玄関までお迎えに出てくれました。
台所で用事をしていると、いつの間にか足元に来ていて、すりすりゴロニャンしてくれたりもしました。
座ってパソコン仕事をしていると、膝に乗ってきて寝てくれました。
キャットフード以外では、お刺身と卵焼きが好きでした。
卵焼きを、美味しそうに食べるクロ。
2月2日の夜に、お刺身を4切れ一気に食べたのが最後の食事となりました。
そんなに食べて大丈夫なん? と心配になるくらい、勢いよく食べました。
嬉しいような悲しいような、複雑な気持ちで見ていました。
その日以降、おふくに泊まって一緒に寝るようにしました。
仕事で留守にするときは、「どうぞどうぞ帰るまで待っていてください」と勝手なお願いをして。
最期の日から1週間前の夜、突然ヨロヨロと起きだして、「にゃお~んにゃお~ん」と大きな声で鳴きながら玄関や窓のほうに行って外に出ようとし始めました。
どこにそんな力が残っていたのか、よろけながらも出口を探し続け、3時間くらい鳴き続けました。
これはもう、ほんとうに辛かったです。
一人になりたかったのでしょうか。
もといた場所に帰りたかったのでしょうか。
力尽きて畳の上で横たわってしまったのですが、しばらくすると起き上がり、ちゃんと自分のベッドに戻っていきました。
そして朝方には私のほうに来てくれて、抱っこで眠ってくれました。
その日以降は、また静かになりました。
3日前の夜中にフッと目が覚めた時、ベッドから出たクロが真っ直ぐ私のほうを向いて正座していて、「にゃん」と短く鳴いたことことがありました。
「ああ、もうすぐなんだね」と思いました。
そのとき以降、トイレ以外にベッドを出ることはなくなりました。
1滴の水も口にしなくなって9日、最期の日まで、自分でトイレに行きました。
意識レベルが低下して目を開かなくなってからも、「クロちゃん」と呼ぶと、シッポを動かして応えてくれました。
何度か痙攣が起きて呼吸が苦しそうになったのですが、それが治まったあと、静かに逝きました。
クロのシッポは短くてフサフサなので、シッポを振ると、ハンデイモップで掃除するときみたいに動くのです。
元気だったころ、カーテンに隠れていているクロの名前を呼ぶと、シッポを振って応えてくれました。
カーテンの下からモップのようにシッポが出てくるのが可愛くて、ときどき遊んでもらっていました。
たくさんの思い出をありがとう。
いっぱい応えてくれてありがとう。
最期まで、誇り高く生ききりました。
2018年11月23日、ユキちゃんとのツーショット写真です。
今は、小さな骨壺に入ったユキちゃんの隣にクロもいます。
2年続けて見送ることになって、とても悲しいです。
どうすればよかったのか、他になにか方法があったのか、あれこれ考えてしまいます。
言葉をもたない小さな命。
ほんとうはどうしてほしかったのか、わかることはないのだけれど、いっぱい応えてくれてありがとう。