今年最後の「本好きのための読書サロン⑲」は、持ち寄った本を通して2019年を振り返りました。
この一年に起きたこと、出会いと別れ、自分の中に起きたこと…。参加メンバーの皆さんと、時に熱く、時にしみじみと語りあうことができました。
今年も、素敵な本との出会いをありがとうございました。
来年は、どんな本との出会いが待っているのでしょう。
楽しみ楽しみ(^^♪
2020年も、変わらず偶数月の第2土曜日で続けてまいります。おすすめ本や自慢の本を持ってご参加ください。
今回の持ち寄り本を紹介します。私の本はどれでしょう~(笑)
●ルリユールおじさん いせひでこ
パリの街に住む少女ソフィーは、バラバラになってしまった植物図鑑を直してもらおうと、ルリユール(製本職人)のもとを訪れる。ルリユールおじさんの手で美しくよみがえる、ソフィーの大切な本。細かい製本の過程が美しい絵で描かれていて、ものを作る職人の技や心、本への愛情がひしひしと伝わってくる。
●幼い子は微笑む 長田弘/いせひでこ
2015年に亡くなった詩人 長田弘の名詩を絵本として完成させた、絵本作家入魂の一冊。赤ちゃんの微笑みは、この世で最初に覚える「ことばではないことば」。人は、言葉を覚えることによって、何を得て、何を失うのだろうか。言葉を知らない赤ちゃんの微笑み。まだ何も知らない、幸福の微笑み。
●まってる。 デヴィット・カリ/セルジュ・ブロック/小山薫堂(訳)
一本の赤い糸でつなっがていく「ぼく」の人生。嬉しいことが待っている。悲しいことも待っている。細長い形や黒と赤のシンプルで美しい絵が素敵な、贈り物にしたい一冊。
●いのちのかぞえかた 小山薫堂/セルジュ・ブロック
ひとつの命が持っている数字を、さまざまな視点で描いていく。人体の不思議や成長の過程、出会いや別れ。今ここに生きていること、生かされていることを愛おしく感じられる一冊。
●つながる技術~幸運な偶然を必然にするには?~ 小山薫堂
人と人との出会いは不思議な偶然に満ちていて、思わぬところからやって来る。努力ではどうにもならないこともあるけれど、じっとしていたのでは何も始まらない。放送作家、脚本家、プロデューサー、絵本作家、大学教授、多彩な活躍をしている著者が、人とつながるためのちょっとしたコツを教えてくれる本。
●しあわせになあれ 弓削田健介/松成真理子
「しあわせになあれ」と、祈りをこめて贈られた「なまえ」。大切な「なまえ」をテーマにした合唱曲の詩に、やわらかく抒情的な絵がつけられた絵本。
●なまえのないねこ 竹下文子/町田尚子
商店街に住むキジトラの野良猫は、名前のある靴屋や本屋や八百屋の猫がうらやましい。ぼくは誰にも名前をつけてもらったことがない。自分の名前を探して街をさまようキジトラ猫が、ほんとうに欲しかったものに出会うまで。
●サンタクロースのしろいねこ スー・ステイントン/アン・モーティマー
宝石のように美しい緑の目をした、雪のように真っ白な猫のスノウは、サンタさんの家に住んでいる。ある年のクリスマスイヴの夜、サンタさんのソリから落ちてしまったスノウは…。繊細なタッチの絵が素晴らしく美しい絵本。ねこ好きにはたまらない一冊。
●クリスマスのこねこたち スー・ステイントン/アン・モーティマー
世界で一番北にあるサンタさんの家の洋服ダンスの中で生まれたのは、スノウの3匹の子猫たち。初めて階段を降りて家の中を探検に出かけた白い子猫パールが見つけたものは…。表情のひとつひとつが可愛らしく、思わず手で触りたくなるほどリアルで繊細なタッチで描かれた猫たち。
●夜廻り猫6 深谷かほる
涙のにおいを察知すると、その人のもとを訪れて傷ついた心に寄り添う「夜廻り猫」遠藤平蔵。「おまいさん、泣ておるな?心で。わけを話してみなさらんか」話を聴いて共に泣き、励まし、時には励まされ助け合って、今を生き抜こう。ツイッターから生まれた8コマ漫画が書籍化された最新刊。
●キャットニップ3 大島弓子
『グーグーだって猫である』続編シリーズの第3巻。猫たちに次々訪れる病気やケガや老いや臨終。悩みながら葛藤しながら、決して現実から目をそらさず、力強く向き合っていく。愛らしく健気な生きものと暮らす幸せと、言葉を持たない小さな命を引き受けることの覚悟を教えてくれる。
●きょうもうれしい えがしらみちこ
子どもには、「おはよう」から「おやすみ」まで、毎日うれしいことがだくさんある。朝ごはんの音、お味噌汁、雨の音、黄色いかっぱを着て歩く道…。子どもの頃の「うれしい」を、当たりまえの毎日の「うれしい」を、大人にも思い出させてくれる。
●みえるとかみえないとか ヨシタケシンスケ
日常のさりげないことを独自の視点で愉快に切り取る人気作家が、伊藤亜紗著『目の見えない人は世界をどう見ているのか』を絵本にしたら、こうなった。三つ目の宇宙人が住む星に降り立った「ぼく」は、「後ろが見えないなんてかわいそう」と言われて変な感じがする。「おなじところをさがしながら、ちがうところをおたがいにおもしろがればいいんだね」そんな地球になるといい。
●おなじそらのしたで ブリッタ・テッケントラップ
「ぼくたちは みんな おなじそらのしたで いきている いつでも どこにいても」全ページに型抜きの仕掛けがあり、しぶい色あいのページをめくるたびに、「わ~」っと思わず声が出てしまいそうなくらい美しく楽しい絵本。
●かべのむこうになにがある ブリッタ・テッケントラップ/風木一人(翻訳)
大きな赤い壁の向こうがわに興味をもったねずみに、くたびれたライオンは言う「かべのむこうになんてなにもない、やみだ。はてしないやみだ」勇気をもって壁の向こうに行ったねずみは気づく「ほんとうのものをみるゆうきがあれば かべはきえる」美しい赤が印象的な表紙カバーをめくると、色鮮やかな世界がひろがる仕掛けになっている。
●ほーほー(あかちゃんえほん) ザ・キャビンカンパニー
よくある赤ちゃん本とは一味違う、カラフルな色あいが印象的な絵本。「ふくろう ほーほーほー」「かえるは けろけろけろ」目の見え始めた赤ちゃんが反応して大喜びすることが実証されているので、プレゼントにも最適。
●あおいアヒル リリア/前田まゆみ(翻訳)
認知症の祖母と暮らす家族との時間の中で感じた著者の経験をもとに描かれた絵本。青い池で出会った赤ちゃんワニとアヒルが家族になって暮らし始める。ワニが頼もしく成長したころ、アヒルの記憶が少しずつ消えていく…。育児も介護も、現実はやわじゃない。けれど、内側から湧き出るような何かに動かされ、励まされ、乗り越えていく。
●とんでいったふうせんは ジェシー・オリベロス/ダナ・ウルエコッテ/落合恵子(訳)
人はいろんな経験をして、思い出の風船を増やしていく。おじいちゃんの思い出話を聞くのが大好きだった「ぼく」は、おじいちゃんが同じことばかりくり返し話すようになったことに気づく。おじいちゃんは、思い出の風船を一つずつ飛ばしていく。「この絵本を、男の子と同じような体験をしているであろう子ども(大人にも)や、これからするであろう子ども(大人にも)に贈ります」(訳者あとがき)
●ガラスのなかのくじら トロイ・ハウエル&リチャード・ジョーンズ/椎名かおる(訳)
街の中の水槽で育ったクジラは、ガラス越しに世界を見ている。何不自由なく、ひとりでのんびり暮らしていたクジラのもとに、ある日、青い瞳の女の子が訪れて、「あなたの本当のおうちは ここじゃないわ」と言う…。
●とんでもない 鈴木のりたけ
自分のことを「なんのとりえもない」と思っている「ぼく」は、サイの鎧のような立派な皮がうらやましい。けれど、サイは「とんでもない」と悩みを打ち明けて、「身軽なウサギがうらやましい」と言う。いろいろな動物たちの「とんでもない」を聞いていくうちに、他人にはわからない様々な悩みを持っていることを知っていく。人間臭い表情の動物が楽しい絵本。
●やさいさん tupera tupera
ニンジンやジャガイモなど、いつも食べている野菜を土から収穫するお話を、シンプルでダイナミックな絵と仕掛けで楽しむ絵本。土から見えているのは、緑色の繊細な葉っぱとオレンジ色が少しだけ。さあ、この野菜は何でしょう? 「すっぽーん」と言いながら仕掛けをめくる繰り返しに、小さな子どもは大喜び。
●しろくまのパンツ tupera tupera
パンツをなくして困っていたしろくまさんは、ネズミと一緒にパンツを探しに行く。しましまパンツは誰のかな? 花柄パンツは誰のかな? さて、しろくまさんのパンツはどこに? しろくまのはいている赤いパンツを脱がせてから読むという、仕掛けも楽しい絵本。
●ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー ブレイディみかこ
パンクで熱い母親と、ちょっとクールで純な息子の成長物語。単身イギリスに渡って保育士資格をとり、「最底辺保育所」で働きながらライターとなった著者が、イギリス南端の街の「元底辺中学校」に通う息子や友人たちの日常を書き綴った一冊。「老人はすべてを信じる。中年はすべてを疑う。若者はすべてを知っている。子どもはすべてにぶち当たる」
●女たちのテロル ブレイディみかこ
どん底の境遇から思想を獲得し獄中死した金子文子( 1903~1926)。国王の馬の前に身を投げ出した武闘派サフラジェット(イングランド女性参政権活動家)エミリー・ディヴィソン(1872~1913年)。アイルランド独立を求めたイースター蜂起の凄腕スナイパー マーガレット・スキニダー(1892年~1971年)。国家と対峙した3人の女性たちを100年後に蘇らせた伝記エッセイ。「怒りと希望の原石のような百年前のガールズ・コーリングが、現代を生きるすべての性の人々に聞こえることを祈りながら」(著者あとがきより)
●この国の不寛容の果てに:相模原事件と私たちの時代 雨宮処凛(編著)
「生産性」「自己責任」「迷惑」「一人で死ね」…刺々しい言葉にあふれたこの国で、その男は19人の障害者を殺した。沈みゆく日本で、それでも「殺すな」と叫ぶ7人の対談集。
●一切なりゆき 樹木希林
2018年9月に亡くなった樹木希林さんが遺した言葉の数々を集めた一冊で、ベストセラーとなった。「モノがあると モノにおいかけられます」「おごらず ひとと比べず 面白がって 平気に生きればいい」ユーモアと洞察に満ちた言葉が心に沁みる。
●あきらめる練習 名取芳彦
「諦める」と「明らめる」は同じ語源で、ものごとの本質を明らかにするから諦められる。前向きに諦めることで心の重荷を軽くして、新たな一歩を踏み出そう。
●天才を殺す凡人~職場の人間関係に悩むすべての人に~ 北野唯我
人気ブログ「凡人が天才を殺すことがある理由」が、物語になって書籍化された。世の中には「天才」と「秀才」と「凡人」がいる。そして、三者の間にはコミュニケーションの断絶があるという、話題のビジネス書。
●失敗図鑑~すごい人ほどダメだった~ 大野正人
「英雄」「偉人」と讃えられている人たちも、ずっと成功し続けていたわけではない。何か新しいことに挑戦しようとしたとき、失敗はつきものなのだ。何かと窮屈な時代に、「失敗してもいいじゃん!」って思える子どもたちが増えたら、世の中もっと楽しくなるかも。そんな思いで、全漢字ふりがな付きで作られた本。
いかがでしょうか。
気になる本はありましたか?
もうお腹いっぱい~(笑)
次回は、2020年2月8日(土)19時~21時です。
テーマは『夢』です。
ご参加お待ちしております。