第14回「本好きのための読書サロン」は、持ち寄った本を通して「私の2018年」を語り合いました。
話題になった本や仕事に必要な本、新たな出会いにつながった本、これからの自分を作る本・・・。キーワードは「面白がる」。
目標どおりに進んだこと、やり切れていないこと、難儀したこと、ワクワクどきどきハラハラ、すべて喜び&感謝に変換しました!
都合で参加できなかったメンバーからも、「持って行きたかった本」のリストが届きましたので、それも含めて紹介いたします。
来年も引き続き、本好きの皆さまのご参加をお待ちしております。
●この世界の片隅に こうの史代
2011年8月にテレビドラマで放送され、2016年には映画で話題になりました。2018年には再びドラマ化もされました。そして、2019年には、「この世界の(さらにいくつもの)片隅で」というタイトルで、すずさんとリンさんの交流などが描かれる新作が公開される予定です。読むたびに新発見してしまうシーンがあり、セリフのひとつひとつが深く沁み入る漫画です。
●のりさんの生き方~ほんのりとどっちでもいい話~ 保坂行徳
「のりさん」は、徳島県祖谷にある自然菜食と田舎暮らしの古民家宿「空音遊(くうねるあそぶ)」オーナー。限界集落に立ち上げた「ゲストハウス」は、海外からのリピーター続出。アトピーやぜんそくなどの現代病を薬なしで克服した半生がつづられています。なんでも「のりさん」講演会の企画があるとか。興味関心のある方は、双海町の米ぬか酵素風呂「酵素まる」さんへ。
●手作り雑貨のある暮らし 西川敦子
手作り雑貨を作ってお店も運営している3人のアーチストが、仕事と暮らしにかかわることを語ります。毎日をステキにおくるヒントがつまった一冊です。
●予祝のすすめ 前祝いの法則 ひすいこたろう/大嶋啓介
「予祝とは、先に喜び、先に祝うことで、その現実を引き寄せる、日本人がやっていた夢現実法」なのです。有名人の予祝メイク・ミラクル物語や、生活の習慣にとりいれたい予祝ワークなど、楽しみながら読める本です。「心の状態×行動=未来」「最高の未来を迎えに行こう」「人は、いま放った言葉と 未来でまた出会う」
●おべんとうの時間 阿部了/阿部直美
おべんとうハンター:阿部夫妻が全国各地でみつけた、手作り弁当と家族の物語です。
●寺嫁ごはん~心と体がホッとする“ゆる精進料理”~ 麻生怜菜
精進料理の基本は守りつつ、最短3分で完成するという新感覚の“ゆる精進料理”。厳しい修行に耐える僧侶の体を作る精進料理は、最高の健康ダイエット食なのです。かわいらしい写真と簡単レシピでわかりやすいので、料理初心者にもお薦めできそうです。
●ニジノ絵本屋さんの本 いしいあや/小林由季
1.5坪の店から始まった「ニジノ絵本屋」だが、絵本の仕入れが思うようにいかない。ならば、と、出版社になってしまう著者。本を作っても自分の店だけでは売り切れないとなると、今度は絵本を背負って行商に。そして今や、絵本にまつわるパフォーマンスを国内外で次々に展開中! 本好きならば読まずにはいられない、おもしろすぎる本です。
●目の見えない人は世界をどう見ているのか 伊藤亜紗
五感のなかでも特権的に優位と言われている「視覚」。「視覚」を取り除かれたら、世界はどうなってしまうのだろう。「見えないことは欠落ではなく、脳の内部に新しい扉が開かれること」なのだとすれば、健常者と障害者という区別はいったい何なんだ? 「視野をもたないゆえに視野が広がる」「視覚がないから死角がない」見える人にとって当たり前の体のあり方を、「ぐにゃぐにゃに溶かしてしまう」一冊です。
●このあとどうしちゃおう ヨシタケシンスケ
死んだおじいちゃんのノートを開いてみたら、自分が死んだらどうしたいか、どうしてほしいか、たくさん書いてありました。著者は、『豊かな世の中とは、どんなテーマでも「品のあるユーモア」できちんとふざけられる世の中のことだと思う』 と。
●みえるとか みえないとか ヨシタケシンスケ
「目の見えない人は世界をどう見ているのか」をきっかけに生まれた絵本。著者の発想は、『本来、「健常者」や「ふつう」って、時代や国によってばらばらで、あてにならないもの。だから「ふつう」がすでにない状態を描くしかない。宇宙に行こう!』「同じところを探しながら、違うところをおたがいに面白がればいいんだね」見えるとか見えないとかを、面白がって読んでしまえる本です。
●難民になったねこ クンクーシュ マイン・ヴェンチューラ/ベディ・グオ
2015年、戦火のイラクからトルコを経てギリシャへと逃れた家族は、白いネコを連れていました。何も持ち出せない過酷な旅でも、ネコだけは置いていくことができなかったのでした。上陸の混乱の中でネコは迷子になってしまいますが、たくさんの優しい人たちの思いと行動がつながっていって、4ヶ月のあいだに5000キロを旅した白いネコは、ノルウェーで暮らし始めていた飼い主の家族と再開することができました。ほんとうにあった奇跡のネコの話です。
●大家さんと僕 矢部太郎
トホホなお笑い芸人の「僕」と87歳の大家さんとの交流を、ほのぼの味わいのあるタッチで描いたコミックエッセイ。87歳の大家さんは、なんでも面白がって受け入れて、季節の移ろいを楽しみ、そして上品なのです。「大家さんは8月が一番好きだと言っていました。理由は戦争の番組をたくさんやってくれるから。そして、大切な人たちは戦争で取られたくないともおっしゃっていました。僕にとっても8月は特別な月になりました」今年の8月に大家さんが亡くなられたときの著者のコメントから。
●憲法が変わるかもしれない社会 高橋源一郎
著者が所長である明治学院大学国際学部付属研究所の公開セミナーで、憲法学者や映画監督など6人のゲストと対談したものがまとめられており、戦後かつてないほど改憲の動きが活発になっている今、憲法について、立憲主義について、象徴天皇について、分断を超えて対話するための土台となる本です。「この世界の片隅で」のすずさんの話も出てくるし、NHK「クローズアップ現代」のキャスターだった国谷裕子氏との「分断が進む時代におけるメディアリテラシー」は、たいへん興味深く読めます。
●社会を希望で満たす働きかた 今中博之
障がい者でありソーシャルデザイナーである著者は、「デザインの力」で怒りの解決の糸口を見つけようと「アトリエインカーブ」を立ち上げました。2020東京オリンピック・パラリンピックの委員として、あの市松模様のエンブレム選考にかかわったエピソードにも触れながら、「公憤」という公共の正義からおきる怒りを背景に、「ふつうではないとみなされる人」と「ふつうの人」の境界線を越えて、社会を希望で満たす企てを実行しています。
●戦争なんか大きらい!絵描きたちのメッセージ 子どもの本/九条の会
61人の画家が平和への想いをこめて描いた61枚の絵に、憲法の条文が添えられています。
●昔話法廷 NHK Eテレ「昔話法廷」制作班
昔話の登場人物を現代の法律で裁くという、「昔話法廷」の番組が小説になりました。オオカミを殺した子ぶたは、殺人罪か正当防衛で無罪か。あなたが裁判員ならどうする?
●きょうはそらにまるいつき 荒井良二
ふと見上げた空には、ごほうびのようなお月さまが。何気ない日常の営みを、やさしく静かに温かく包む月の光。
●人は人を浴びて人になる~心の病にかかった精神科医の人生をつないでくれた12の出会い~ 夏苅郁子
統合失調症の母をもち、辛い幼少期をおくった著者が、人生に希望を見出すまでを綴った自伝的エッセイ。どんなときも、きっと誰かの手が差し伸べられているはず。そこにある希望を信じて生きよう。
●三びきのクマ トルストイ/ヨシタケシンスケ
著名な作家の短編小説を集めてシリーズ化した「世界ショートセレクション」。ロシアの文豪トルストイは、村人や子どもたちや森や動物たちを愛し、物語を作りました。
●銀河鉄道の星 宮沢賢治/後藤正文
宮沢賢治原作の「銀河鉄道の夜」「よだかの星」「双子の星」を、ミュージシャンが「恐れおののきつつ、ありったけの愛をこめてリミックス」したという新訳本です。
●成熟脳 黒川伊保子
人間の脳の本番は56歳から始まる!! もの忘れは「老化」ではなく」進化の証!! 脳科学で説く「成熟」の極意とは。