「要支援1」の実家の両親が最初に利用した介護保険サービスは、玄関の上がり框などに手すりをつける「住宅改修」でした。
その後、徐々に買い物等の家事援助を追加してもらいました。
「要支援1」では介護保険サービスでベッドをレンタルできません。
背中の湾曲や腰の痛みで床から立ち上がれなくなった母は、「自費レンタル」という形で電動の介護ベッドを使用しています。
数年前に初めて介護認定を申請するときには、私の知人のケアマネージャーに直接お願いすることができました。
しかし、先方の事情で次々に担当ケアマネージャー(以下CM)が変わりました。
3人目のCMからは、もう私の知りうるところではなくなりました。
「要支援」は、原則として住んでいる地域の「地域包括支援センター」という所のCMが担当します。
現在は5人目?6人目?くらいです(笑)
今から1年ほど前、「台所に立って調理や洗いものをすることができない」「訪問介護を増やして欲しい」と母が自分から言い出して、介護認定の「変更申請」をしようとしました。
「要支援1」から「要支援2」に認定を重くしてもらえたら、ヘルパーの訪問回数を増やせるかもしれないというわけです。
ところが・・・。
「あなたは“ニンチ”がないから、変更申請をかけたりしたら要支援1から外されるかもしれない」
「変更申請はバクチみたいなもの、へたすると今のヘルパーも使えなくなる」
このようにCMが言ったと、母はいうのです。
「しんどくて家事ができんだけでは助けてもらえんのか?認知症にならんといかんのか?」と、「バクチ」という言い方への怒りもあって大混乱でした。
母の性格上の問題は承知しています。
介護保険サービス利用そのものを制限する方向なのも、もちろん承知しています。
それにしても「バクチ」という言い方はいかがなものかと思ったので、私からCMに電話しました。
「バクチみたいなものと言われたので、申請をやめると母が言っています」と伝えました。
すると、「ああ、あれは皆さんに説明しています、リスクは伝えないといけませんから」と、けんもほろろ、取りつく島も無いのでした。
利用者への共感がないというより、全く関心がない・・・。
自分の言いたいこと(制度などの説明)だけを一方的に喋る・・・。
結局、このときは変更申請しませんでした。
そして、父の負担を少しでも減らすために、私が週2回通うことにしました。
前置きが長くなりました(笑)
今日の本題は、「ケアマネージャーって何するひと?」でした。
5月に右手首を骨折して以降、排泄も要介護状態になったことは前回の記事のとおりです。
今回も自分からCMに連絡した母は、一方的に勧められるままに、もろもろ決めてしまっていました。
●「ポータブルトイレ」を購入する
●居室からトイレまでの手すりを付ける
●介護認定の変更申請をする
母は言います。
「あんたが言っていた簡易トイレは、CMが家具調を勧めるからそれを頼んだ」
「ひとりでトイレまで歩けるように手すりも付けてもらうようにした」
「訪問介護を増やすために変更申請をする」
母たちは、ポータブルトイレについての知識などありません。
もちろん、見たことも使ったこともありません。
家族が行う後始末のことなど、使うようになってからの様々な課題も知りません。
CMからは、「バケツをトイレに持っていって流す」という説明しか聞いていませんでした。
CMの対応には、「誰が、どこで、どのように使うのか」という視点が欠如していると感じました。
話を聞いてすぐに、自動処理機能つきの「ラップポン」に変えてほしいとCMに電話しました。
しかし、全く話がかみ合いません。
「袋に入れるタイプは不衛生です」
「バケツタイプは毎回トイレに流せるから衛生的です」
「業者も袋のタイプは不衛生だと言っています」
と、譲りません。
そして、延々と、またしても変更申請にともなうリスクとやらの説明をするのでした。
「月の途中に申請をすることはできません」
「役所に出せるのは8月になってから」
「手続きを始めたら、今利用しているサービスもいったんストップがかかる」
・・・計算がどうのこうの、ヘルパー事業所がウンヌンカンヌン・・・。
・・・ちんぷんかんぷん。
失礼ながら話を遮って、キッパリと伝えました。
「制度の説明は必要ありません」
(自立支援のためにどう運用するかがプロでしょう)
「ヘルパー事業所とは相談しながらやれます」
(あなたの何倍もよい仕事をしています)
「私がお願いしたいことは、父の負担を増やさないことです」
「家事の上に、母の身の回りの世話が加わって、心配もして、その上にバケツの始末はさせられません」
(在宅を続けるために必要なことは個々に違います)
CMは「バケツの始末はヘルパーがしてくれますよ」と簡単に言います。
「朝10時にヘルパーが来るんだから、それまでおいておけばいいんじゃないんですか?」
はあ? 週3回で?
私はできるだけ毎日朝夕に行っているけれど、行けない日もある。
「ほんとにいいんですね?」と、何回もCMから念押しされました。
部屋からトイレまでの途中にある80cmほどの壁に手すりを設置する話はキャンセルしました。
移動の道すじの大部分には、手すりをつける「壁」自体がないわけで・・・。
そこはこれまで通り父が介助するから、という話でしたが・・・。
長文になって恐縮ですが、変更申請に伴う「訪問調査」に関しても、「CMって何するひと?」でした。
やはりCMにとっての重要ポイントは“ニンチの有無”なのでした。
訪問調査員の「今の季節は?」という質問に対し、母が「夏」と即答してしまったため、「要介護」どころか「要支援2」になるのも無理だというのです。
「あの調査員は厳しいから」と言ったというのです。
母の直前に訪問した利用者は、「秋だ」と答えたと。
それは“ニンチがある”ことになるのだと。
「8月だから夏だと言ったのに、秋やと言ったらよかったんか?」と母。
さすがにもう「要支援1」から外されることはないと、そこは明言してくださったとか。
車いすからベッドに移る時「あイタタ~」と言ったのが良かったと、誉めてくださったとか。
老老介護に奮闘している父を落胆させ、完璧主義でプライドの高い母を凹ませ、CMとはいったい何をする人なのか。
怒りを通り越し、開いた口がふさがらない私です。
これ以上の転倒を避けるためと父の負担を増やさないため、車いすとポータブルトイレを導入しました。
ラップポンとリハビリパンツとパッドを使いこなし、自分で対処できると確信したことで、自立しました。
車いすからベッドや便座への移乗も練習したので、時々よろけながらですが自力でやっています。
ベッドサイドでの排泄にしてから1ヶ月の間に1回だけ転倒しましたが、畳なので腕を擦りむいただけでした。
「夏だ」と即答してしまった母は、やはりCMの言うように「要支援1」のままなのでしょうか。
認知症の症状がないと本当に「要介護」にはならないのでしょうか。
もしそのような結果が出た場合は、判定の理由を問い合わせようと思います。
在宅で暮らし続けるために必要な支援についてマネージメントするのがCMだと思っています。
専門職としての知識と援助技術を使って知恵を貸し、本人と家族を力づける人であってほしい。