実家の墓じまい、その後の経過報告です。
⇒市営墓地の使用権者を祖母から父へ変更する手続きについては「墓じまいレポート②」
◇遺骨を移すための改葬届け⇒改葬許可証の発行
◇永代納骨をする寺との契約と入金
◇石材店への依頼と工事費の見積もり
◇墓の閉眼供養の日取り決定
◇墓石設置等許可届け(撤去)
◇墓の閉眼供養を行い、祖父母の遺骨を納骨堂へ
ここまで終わりました。
写真は、閉眼供養(納骨する寺の住職によるお墓の“魂ぬき”の儀式)を終えて、骨壷を取り出したところです。
ものすごい湿気のため、骨壷には水が大量にたまっていましたが、ホネは真っ白でした。
新しい骨壷に移し、きれいな金糸の布で包んでもらいました。
その作業を見ながら、祖父母が亡くなったときのことなどをボソボソと話す父がおりました。
プロの皆さまの丁寧で手際よい仕事ぶりに、感謝感謝の一日でした。
あとは、墓石等撤去工事の完成をもって、「工事完成届け」「墓地返還届け」を提出して終了です。
父を車に乗せて、実家→墓地→納骨堂→実家と移動したのですが、父を乗せ二人だけで墓地へ行くのは初めてのことでした。
車中で父の愚痴を「ふんふん」と聞き流しながら、心の中でツッコミしまくっているワタシがいました。
「ふたり(祖父母)とも、孫の車に乗って運ばれることになるとは思ってもいなかったやろうなあ」
→そらそうじゃろう!
「自分が若い頃は、将来お墓をどうするかなんていう時代じゃなかった」
→娘ふたりを他家に行かせたときから、自分たちで終わりにするって言ってたよ~
「自分で墓参りしていたころは、まさかこんな日が来るとは思っていなかった」
→あんたらの世話にはならん、迷惑かけんように自分で始末する、と言ってたよ~
「自分が自分で移動できなくなる日がくるとは思ってもいなかった」
「ほんの5年前まで運転していたのがウソのよう、どこを走っているのか全然わからん」
→誘っても出かけないのは誰じゃ!
80歳になったときに自分から運転免許証を返還したのですが、そのときは潔い行動だと感心したものです。
免許センターの高齢者試験みたいなものでは、試験管に誉められるくらいの成績だったと話していました。
アタマも体も精神も、80歳とは思えないほど元気でした。
今思えば、あのときを境に、心身ともにガタンと急カーブで下り坂になった気がします。
「人に迷惑をかけてはいけない」という気持ちが強かったようですが、そのとき手放したものは、ただの免許証ではなかったということなのでしょうか。
祖父母の遺骨を納骨堂に納めたあと、「ここなら車を横につけられるし、出かけたついでにタクシーで寄ってもらうことができる」と、自分に言い聞かせるように何度もつぶやいておりました。
親の墓のしまいがつき、自分の骨の行き場所が決まったことで、一つホッとしたのは確かなようです。
数日後、実家を訪ねたら、何となくスッキリした顔で、声もハリがあるような気がしました。
次は、家のことをどうするか考えるのだそうです。
はいはい、望みがかなうようにお手伝いいたしますよ。