《墓じまい》のお手伝いをした方と、任意後見契約を結びました。
⇒3月3日の記事「墓じまいの相談に行く」
足腰が弱って墓参りに行くことがかなわなくなって数年。
後を継ぐ人がいないことから《墓じまい》を決断されました。
ご本人に代わって段取りを決めていき、菩提寺への永代納骨をもって任務終了。
ご本人が亡くなった場合、菩提寺で永代納骨されるところまで決まっています。
その後、かねて依頼を受けていた任意後見契約の手続きもすませました。
そういうことを事業としてやっているわけではありません。
ご縁があって、3年おつき合いしてきた流れの中でのことです。
赤の他人が依頼を受けてよいものかどうか、信頼に応えられるかどうか・・・。
時間をかけて、確認に確認を重ねながら慎重に進めていきました。
●《任意後見制度》は、本人に十分な判断能力があるうちに、将来に備えて、あらかじめ自分が選んだ《任意後見人》と契約を結んでおくものです。
●自分の判断能力が不十分な状態になったとき、自分の生活全般、療養看護や財産管理に関する事務について、《任意後見人》に代理権を与えるという契約です。
何をどこまでしてもらうかという契約の内容は、両者の合意で自由に決めることができます。
●公証役場で、公証人の作成する公正証書を作成します。
公証役場での相談は無料ですが、実際に作成するときには費用がかかります。
公正証書は3部作成され、公証役場、本人、任意後見人が持ちます。
●任意後見人には、実子でなくても、親族や友人など誰でもなることができます。
何かの資格が必要なわけでもありません。
住民票と印鑑証明書の提出が必要でした。
●実際に任意後見人として活動を始めるときには、家庭裁判所が選任する「任意後見監督人」がつきます。
定期的に、活動の状況を「監督人」に報告して「監督」されることになります。
しかし現実的に考えると、認知症などで「判断能力が不十分」とならなくても入院することだってあるし、介護保険制度の利用で契約を結ぶ場合などもあるわけです。
また、《任意後見契約》は、「判断能力が不十分」な状態で生きている間のことだけしか網羅できません。
亡くなったあと、葬儀や納骨なども、本人が望んだとおりに進める人が必要です。
そのため、委任契約(見守り契約)→任意後見契約→死後事務委任契約 という《移行型》の契約を結ぶことにしました。
亡くなったあとも、本人の意思のとおりに終いをつけるのが任務です。
葬儀社と、生前契約を結ぶお手伝いもしました。
心配ごとが少しは減って、ゆっくり眠れる夜があるとよいのですが。
身内でも知人でもなく、契約という社会的な関係です。
お互いに、ちゃんと距離をおきながらのおつき合いが続いています。
最後まで自分流を貫こうという人への尊敬に加えて、友情のような気持ちが生まれているのが不思議な今日このごろです。