昨日の、「親が<住み替え>を考えるとき」の続きです
遠方で1人暮らしをしている母上が、長女(相談者)の住む地域へ住み替えようかという意思表示をしました、さてどうするか…というご相談です。
日常の暮らしに不自由することが少しずつ増えてきて、体調を崩すことも増えてきて、一人で暮らし続けることへの心細さが強まっての意思表示と思われます。
まだ身の回りのことができているうちに、自分が、長女(相談者)の近くに<住み替え>をするのがいい、と考えられたと思われます。
詳しくお話を聞きながら、母上の考えを選択肢のひとつに加えてもいいのではと思いました。
相談者ご自身は、いずれは親と同居するという想定をしておられたようでした。
もう何十年も別々に暮らしてきました。
いきなり同居をするのではなく、近くに住むという段階をふむプランです。
互いの生活を守りつつ、互いにこれまで以上の安心を得ることができます。
相談者も仕事帰りに寄ることができますし、週末には外泊だってできます。
母上の生活スタイルや病状などからも、十分に可能だと思われました。
こういう場合に<住み替え>の対象になるのは、
●介護付有料老人ホーム → 24時間365日の介護スタッフ常駐
●軽費老人ホーム(ケアハウス)→ 介護が必要になったら外部サービスから、または退去
●住宅型有料老人ホーム → 介護が必要になったら外部サービスから
●サービス付高齢者住宅 → 介護が必要になったら外部サービスから、または退去
今回の場合は、まだ常時介護が必要な状態ではありません。
性格や生活スタイルから、街中のサービス付高齢者住宅(サ高住)が合うのではということになりました。
つまり、食事つきの洒落た高齢者専用マンション、ちょっとした生活支援込み、外出は自由で交通の便が良いっていう感じです。
介護が必要になった場合は外部サービスを利用しますが、「ちょっとした生活支援」をするスタッフが兼任しているところを選べば、スムーズに導入できるでしょう。
相談者は、高齢者施設の中は見たことがないということでした。
さっそく、4箇所のサ高住をアポなし訪問してきました。
訪問先選定の条件は、市の中心地で交通の便がよいことです。
サ高住の場合は、まだ建物は新しいですし、建築基準は決まっています。
そこで、訪問時のチェックポイントとして次のような項目を伝えました。
①周囲の環境、外観の印象、ゴミ置き場や洗濯物干しなどの様子
②施設内に入ったときの印象、雰囲気:色、音、におい、照明など
③アポなし突撃訪問への初期対応ぐあい(笑)
④内部見学できた場合は、職員と入居者の雰囲気(笑)
⑤空室や待機者情報
私は、持病の悪化や介護度が重くなった時のこと、夜間の体制などを質問しました。
いやあ、面白かったです。
少しずつ特徴の異なる施設を選んで行きましたが、
予想を裏切らない印象を持たせてもらったところもあれば(笑)、
意外にも「いいんじゃない?」という印象を持ったところもありました。
相談者が「一番よかった、私が入りたい」と言ったところはどういうポイントが高かったか。
①応対に出た人の雰囲気があったかい印象で、案内の仕方が丁寧ゆったり
②総入居者数が少なめで、マンションというより寮生活みたい
③木を使った内装で、落ちつく雰囲気
「二番目」にポイントが高かったところは
①家族らしき人が自由に出入りしていた
②北側の部屋でもロケーションが素敵で明るかった
③デイサービス併設
ランクづけの一位と最下位は、なんと相談者と私の意見が一致しました!
人が与える印象というのはすごいものですね。
相談者は、そこで暮らしている母上の姿をイメージしながら説明を聞いていたようです。
すばらしいですね。
近くに住み替えるという選択肢について、具体的に検討する材料が得られました。
「よく話し合って、あとは本人が決めるように進めます」ということでした。
親の住み替えについて、具体的に話し合いを進めていく、始めの一歩です。
これからも、引き続きお手伝いしてまいります。
さて。
ランク付け二位から最下位への、私の辛口コメントは、また次回に。