今年度の出前講座予定を見ていると、「チームワーク」というテーマが増えています。
「チームワーク」に関して、なんらかの課題を認識している事業所が増えたということでしょうか。
そこで、あらためて「チームワーク」について考えてみました。
介護の現場は、経歴も仕事観も介護観も多様な人たちの集まりです。
3ヵ月後も今のメンバーで一緒に働いているかどうか、わからないのが現実です。
施設長クラスの人が短期間でクルクル変わる事業所も、珍しくありません。
新人教育のプランが用意されていたとしても、いまや指導できる人材そのものがいなくなった・・・。
とにかくできそうなことからやってもらって、やりながら覚えてもらうしかない。
そんな状況における「チームワーク」とは何なのか。
「チームワーク」を高めるために、やれることは何なのか。
現場で奮闘している人たちに、どんな言葉が届くだろうか。
どんな問いかけが、チームワークについて考えるきっかけになるだろうか。
①まずは、組織・チームに属する人としての自覚が大事。
これは責任感とか協調性とかになるのかな。
②そして、「チーム」とは、“仲良しグループ”でも“自分流の寄せ集め”でもないということ。
ひとつの目標にむかって、最大の成果を出すために力を出し合うのが「チーム」。
そのための協力態勢が「チームワーク」ということかな。
チームのメンバーは、互いに影響しあいます。
与えられたことをバラバラにするだけだと、3+3+3=9
ひとりだけ頑張る人がいると、3+3+5=11
互いの力を引き出しあえると、3×3×3=27 !
まあ、27 はちょっと大げさかもしれない(笑)
でも、2×3×3 で 18 になります。
人と人が密接に関わる仕事で、介護に正解はありません。
だからこそ、たし算ではなく、かけ算のチームになりたいものです。
かけ算のチームを作るのは、組織とリーダーの役割です。
ただし!
かけ算のチームだから、「マイナス」のパワーを振りまくメンバーがいると大変です。
リーダーの悩みのひとつに、「どこまでも自分流を貫く人」の存在があります。
リーダーは、そんなメンバーがいたら丁寧なアセスメントを行いましょう。
利用者にするように。
そして、チームの一員となってもらうためのプランをたてましょう。
そのとき、リーダーとして「これだけは譲れない」という一点は明確にしましょう。
たとえば、「利用者や他のメンバーへの言葉づかい」というふうに。
そもそも、私たちは誰のために何のためにここにいるのか。
この事業所は、誰のために何をやろうとしているのか。
ここのところを、リーダーが明確に繰り返し打ち出しているかどうか。
それを、メンバーで共有していく努力を怠らないこと。
ここが、「チームワーク」の土台ですね。
その上に、専門性という知識や技術が乗っていきます。
そうすると、「チームケア」という次の段階が見えてくるような気がします。