同じ職場にいたことのある友人から言われたのですが、私は気配を消すことができるそうです。
その時は「ええ~?そうかなあ?」でした。
つい最近、訪問先の利用者さんから同じようなことを言われました。
「あなたは忍者のように動けるのね」(笑)
「ええ~! 忍者ですか!」(笑)
家の中を動き回って掃除機はガンガンかけているし、
風呂場でジャブジャブ雑巾を洗っているのですが、
その方によると「音がしない」のだそうです。
もしかすると、これが友人が言うところの「気配を消す」ということなのかな?
さすがの観察力と表現力です(^^)
確かに、他の人の邪魔をしないよう、自分の出す音を気にしているというところはあります。
思いがけず大きな音を出してしまったときなど、「しまった!」となります。
自分や家族が入院していたとき、患者にとって不快な足音と安心な足音があるとわかりました。
その経験は大きいと思います。
病院や施設に勤務していたとき、職員のパタパタばたばた動く気配が気になりました。
スタッフルームのドアに「開閉は静かにしましょう」なんて貼り紙をしたこともありました。
こうして思い出してみると、音に敏感なほうかもしれません。
最近は、介護施設の大型テレビの音が気になります。
誰も見ていないのに、大きな音でつけっぱなしになっているテレビ。
たいてい、そういう施設は職員が無言で動き回っており、
突然大きな声で「●●さん、トイレにいきませんか?」なんて言ったりして・・・。
音楽を流しっぱなしにしているところもあって、
し~んとなるのを避けているかのようです。
ずっとそこにいるお年よりは疲れるんじゃないかなあと気になります。
私たちは、周囲にある雑多な音から、自分に必要な音を選別して認識しています。
加齢によって五感の働きが衰えてくると、
自分にとって必要な情報とそうでない情報を瞬時に区別して認識することが難しくなります。
高齢者=大きな音がいい、という誤解があるかもしれません。
難聴には、大きく分けると3種類あります。
・音が伝わりにくい(伝音性難聴)・・・外耳~中耳
・聞きとりにくい(感音性難聴)・・・内耳~聴神経
・混合型
加齢による難聴の場合は、感音性が多いといわれています。
外から入ってきた音をキャッチしにくい。
また、その信号を脳に伝えにくいということです。
音を大きくすればいいというものではありません。
私たちの動きや声が、環境のひとつであることを自覚しておく必要があります。
目ざわりで耳ざわりな存在にならないように。
お年寄りの気配をかき消してしまわないように。