9月・10月の『ときめきセミナー』は、久しぶりに読書会形式で行います。
今回とりあげるのは、三好春樹著『老人介護/じいさん・ばあさんの愛しかた』(新潮文庫)です。あとがきは哲学者の鷲田清一氏で、朝日新聞「折々のうた」でも紹介されました。
⇒昨年のブログ「訓練の前に大切なこと」
私自身が、施設職員や介護家族の方から相談を受けて現実の厳しさに凹むとき、原点にもどるために繰り返し手にとる本です。
介護を仕事とする人から老人に向けられるまなざしの奥にある、「ああはなりたくない」という怖れ。
老いて変わっていく親の現実に、できれば向きあわずにいたい家族の葛藤。
私自身が、80歳を超えてますますジコチュウに磨きがかかっていく母親から目を背けたくなる現実。
家族であれ、仕事であれ、目の前にいるひとを「愛せないかも」という自分への気づき。
これは、とても苦しい。
老いを生きるひとと本気でかかわろうとするときの希望は、
どちらも本気ゆえに生まれる“おかしみ”のようなものなのかもしれないと最近思うのです。
老いを生きるひとの人間らしさが、ふっと、お互いの間の緊張をゆるめてくれる瞬間。
そんな瞬間があることを、本気でかかわったことのある人なら知っているような気がします。
そんなことを、この本を読みながら語り合ってみたいと思っています。
第29回ときめきセミナー 9月11日(日)・10月16日(日) 10時半~12時
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