介護や福祉に関わる人の“学びと交流の場”として開催してきた「ときめきセミナー」。テーマは色々でしたが、講師と参加者の“やりとり”で作っていくことを大事にしてきました。
おかげさまで来月は第25回となりまして、「行動観察方式AOSについて」(3月13日)。
第26回は「人にやさしい介助」(4月17日)。
そして第27回は、「傾聴」をテーマに企画しました。4回連続講座という初の試みです。
⇒チラシはコチラから
介護施設への出前講座をしていて一番多い質問は、「声かけ」についてです。
「〇〇な人に、どんな声かけをしたらいいですか?」
「〇〇なときに効果のある言葉は何ですか?」
「〇〇と言われたときに、どう返したらいいですか?」・・・などなど。
なぜこれほど「声かけ」への期待が大きいのだろう。
相手の機嫌を損ねないで、スムーズに業務遂行するために有効な「声かけ」がないものか。
「そんな“魔法のコトバ”はない」というのが私の答えです。
相手によって違うから、やってみないとわからない。
誰が「声かけ」するかによっても違いますし。
なぜ、「なぜこの人は〇〇してくれないのですか?(〇〇するのですか?)」という質問が出ないのだろう。
自分の「声かけ」のしかたをふりかえってみたら、なにか気づきがあるかも。
一方通行の「声かけ」になっていないか、ふりかえってみたらどうかな。
それが、「傾聴スキルアップ講座」企画の動機です。
相手が話しやすいように、自分は聞き役に徹する。
相手が「聞いてもらえた」と満足できるように、上手な受け答えをする。
「傾聴講座」といっても、そんなスキルを身に付ける講座ではありません。
まずは、自分の「コミュニケーションのしかた」について知ること。
そして、相手の「コミュニケーションのしかた」に関心を持ち、
相手のメッセージを受け取ろうとする態度を身に付けること。
見て、聞いて、感じて、触れて、考えて。
「コミュニケーション」というと「コトバ」のやりとりに注目されがちですが、
実は、「コトバ」以外でやりとりしている部分がかなりあるのです。
それは、カウンセリングなどの「傾聴」の場でもいえることです。
表情や視線や声のトーンや、身振り手振りなどに、
相手への関心がどのようなものかという情報が含まれています。
介護でいうなら、相手に向けられる“まなざし”が「コトバ」以外の情報として伝わるでしょう。
たとえば、からだへの「ふれかた」にもたくさんの情報が含まれます。
互いのからだの皮膚感覚を通して、互いの声を聴くというコミュニケーションが成り立っています。
「傾聴」を切り口に、介護とコミュニケーションについて考える講座です。