読書の流儀

ブログで紹介した本について、「読んでみたい」「さっそく注文!」と嬉しい反応をいただきました。

長田弘著『なつかしい時間』には、「読まない読書」という章もありまして、本との付き合いかたについて語られています。「読まない読書」とは、『「読む」ということの前に、「本がここにある」ということの大事さを受けとめる』ということです。

←クリスマスローズが次々に咲いています。

うつむきがちの紫色がなんともいえない風情。

本は『精神の容器』です。

 『どこで、どんな時間に、どんな姿勢、どんな気分で読むか。

  本を読むと言うことは、本来そういう自分の流儀をまもる、

  確かめるという性質をもつものであったはずだし、あるはずです。』

 

本は『預かり物』です。

 『本を求めるというのは、お金を出して、その本を気のすむまで預かることです。』

 『手わたされて、手わたしてゆく。手わたしの、そのつながりのなかに、じぶんを置くということです。』

 

          長田弘著「なつかしい時間」岩波新書より

いろんなスタイルの「図書館」や「書店」が流行っているようです。

読書離れ、本離れをくい止めて、広く気軽に親しんでもらおうということのようです。

こんなに物も機会も豊かな時代、その気になりさえすれば何だって手に入れることができそう。

そんな気はなくても、それほど求めてなくても、「これもあれも」「さあさあ」と迫ってくる気がする。

 

自分をつくる『精神の容器』を、『自分の流儀』を、守らなくては。