「分け入っても分け入っても」

フウセンカズラのグリーンカーテンを片づけました。

まだ緑のふうせんがたくさん残っていたのですが、

葉っぱがハラハラと落ちてきておりました。

わさわさのカーテンを外してみたら、

なんとカーテンの奥のほうでガーデンシクラメンが花をつけておりました。

びっくりです。

春に取り残していた株が、

カーテンの奥で夏の暑さをしのいだのでしょう。

最近のエピソードをもう一つ。

 

「分け入っても分け入っても肉の山」

 

これは、ある高齢者施設に入っておられる方が作った一句です。

山頭火の有名な句 「分け入っても分け入っても青い山」 をもじっています。

 

食事に関する要望をどのように施設側に伝えたらよいか、という相談を聞いていたときのことでした。

何度か要望を伝えたそうなのですが、改善の意思を感じられないのだ、とのことでした。

近くの席の利用者も残していることが多いのだそうです。

 

どのような食事が出ているかを、私に説明するための一句です。

私は思わず吹き出して笑ってしまったのですが、ご本人は真顔なのでした。

ユーモアと捉えてしまった私は反省することになるのですが、

提供される肉の山にうんざりしているありさまが目に浮かびました。

全般的に肉の献立が多いという意味もあるし、

一品にしても肉の量が多すぎて、食べても食べても肉が減らない感じを表現しています。

 

どのような言語表現にすれば、「死ぬまでここで食べねばならぬ身」の切ない願いが伝わるか・・・。

ただ不平不満を並べるのではなく、他の入居者のためにも改善させようと考えておられるのでした。

 

その方の戦略を聞きながら、その前向きな思考に感動しておりました。