五十日(いか)の祝い

「源氏物語」を愛読されている利用者さんから、

「ひ孫の五十日のお祝いを贈りたい」との連絡が。

贈りたい品物のイメージをお聞きして、

お金と送付先情報をお預かりして、

お店をいくつか巡って任務を敢行しました。

とても楽しいけれど、責任重大の任務でした。

お祝いの品が無事に届き、お孫さんからお礼の連絡があったとのことで、ホッとしました。

「五十日の祝」は、平安時代の貴族社会で行われていた生後五十日を祝う儀式です。

任務を与えてくれた方は、「源氏物語」に改めて親しむなかでの気づきや感慨を語ってくださいます。

源氏物語の第36帖「柏木」の巻 「若君の五十日の祝」の名場面。

源氏が、五十日の祝いを迎えた『薫』(源氏の妻が柏木に密通されて生まれた子)を抱く場面。

愛らしく無邪気に笑みを浮かべる『薫』への、源氏の複雑なこころ模様。

初めて源氏物語を学んでいた頃にはわからなかった人生の深み、紫式部のすごさ。

「この年になって」しみじみと感じ入って、涙したとのことでした。


そんな思いからの、「ひ孫の五十日の祝い」でした。

ひ孫さんの、小さな小さな愛らしい手や足に、受け継がれていく『命』を実感されたとのことでした。