今日、8月15日の「折々のうた」(朝日新聞)は、
美術家・伊達伸明さんの詩「とつとつな音」から
『未整理の過去と 手さぐりの未来の間に
点描でしか描けない現在がある』
昨日の今日という日に、
『未整理の過去』という言葉が深く重く響きました。
過去のように見える70年前にも、ささやかな日常の営みの点描があって、その点描の連続の先の今。
こうの史代原作「この世界の片隅に」が、アニメ映画になって来年公開予定であることを知りました。
昭和18年 広島の女の子「すず」が、
「軍都・呉」に嫁ぐところから始まる物語です。
絵を描くことが好きな女の子「すず」の目を通して、
少しずつ少しずつ変わっていく日々が描かれます。
映画の公式サイトは⇒コチラ
以前に勤めていたところで、利用者のお年寄りから戦時中の話を聞く会を催したことがありました。
知識も関心もなかった若いスタッフたちの取っ掛かりに、コミックなら手に取りやすいかなあと思って読んでもらった、思い出のある本なのです。
ふだんは「介護される人」である利用者さんたちが、
子どもをおぶいながら空襲の中を逃げまどった体験などを淡々と話してくださいました。
目の前にいる「弱々しい人」たちは、戦争を生きぬいてきた、実は「すごい人」たちなのだ。
・・・若い人たちは、そんなふうに受け取ってくれたようでした。
『夕凪の街 桜の国』も大好きな作品です。(田中麗奈主演で映画化されています。)
今日という『点描』の連続の先に、どのような『未来』があるのか。
いつのまにか・・・そんな無責任な『点描』を描いてはいけないと強く思った今日、この4冊がおふく文庫入り。