「障がい差別について考えるタウンミーティング」②

立春を過ぎました。

昨日に続き、

松山市で開催された「障がい差別について考える

タウンミーティングinえひめ」参加報告です。

 

← おふく花壇のクリスマスローズ。

   葉っぱをかきわけた奥に花芽と思われる

   紫色の物体を発見しました!

   初めてなのでドキドキします。

タウンミーティング第2部は、

DPI日本会議事務局長・内閣府障害者政策委員会委員の佐藤聡さんが、

2013年に成立した障害者差別解消法と 2014年に批准した障害者権利条約について講演されました。

 

  ⇒DPI(Disabled Peoples' International 障害者インターナショナル)についてはコチラ

 

佐藤さんご自身は、9歳の時に事故にあって車椅子使用の生活になったそうです。

9歳から4年間を施設で過ごされますが、

閉鎖的な生活に「このままではダメになる」との思いで施設を出たそうです。

 

2006年に国連総会で採択された「障害者権利条約」を日本が批准したのは2014年。

・・・世界で141番目です。

条約を批准できる水準にするため整備されたのが、

「障害者基本法(2012年)と 「障害者差別解消法(2013年)」です。

 

「障害者差別解消法」は 当初「禁止法」となるはずだったのですが、

「禁止法」という言葉のイメージが強すぎるとかなんとか・・・

かえって取り組みが遅れるかもしれないとかなんとか・・・

そんなこんなで「解消法」という名称に変わったという経緯があります。

いかにも・・・ありそうな・・・話 (^_^;)

 

その「解消法」の積み残し課題として 以下のようなことがあげられていました。

 ①間接差別・関連差別が含まれず、差別の定義が不十分である。

  →「活字印刷に対応できるもの(=点字受験は認めない)」(間接差別)や

    「本人は入店OK(=盲導犬は入店拒否)」(関連差別)などは

    「差別」にあたらないことになる

 

 ②合理的配慮について、民間には法的義務がない。

  →合理的配慮とは「同じ機会を提供するために必要な配慮」であり、

    障害者だけの特別な権利ではない。

   (健常者への合理的配慮は法的な定めがすでにあり。例:階段のない2階以上建築物は存在しない)

 

 ③紛争解決の具体的な仕組みがなく、あっせん機能もない。

  →「差別」事案が起こっても、具体的に解決するすべがない。

 

ほかにも、

障害者の家族も様々な差別にさらされるのに対象から外れた とか、

女性障害者や障害児への「複合差別」について触れられなかった とか、

いろいろな過程を経て成立したことがわかりました。

当事者の意見はまだまだ取り入れられにくいのですね。

しかし・・・

100点でなくても初めの一歩を祝福し、3年後の改正に向けて声をあげていきましょう。

佐藤さんからは、そんな前向きなメッセージが伝わりました。

 

また、自治体の「条例」というものを上乗せして策定することができるのだそうです。

すでに動き出している自治体もあるとか。

先行事例に学び、愛媛の条例が“実”のあるステキなものになることを願います。