空間認知と「グリッド細胞」

ノーベル物理学賞を受賞した中村教授が、

モチベーションは?との質問に

「怒り。とにかく怒り。」と答えておられました。

うんうんそうそう・・・と頷いてしまいました。

 (おそれ多いことですが)

そしてノーベル医学生理学賞もすごいのです。

自由に動ける状態にしたラットの神経細胞の活動を研究し、自分がどこにいるかを認識する「場所細胞」と「グリッド細胞」を発見したというものです。

 

ラットが動き回っているとき、ある特定の場所に来ると「場所細胞」が順々に発火していく。

「場所細胞」は記憶をつかさどる「海馬」にあって、

視覚や嗅覚などからの信号をもとに、

特定の場所ごとに何枚もの「地図」が記憶されていくイメージだそうです。

 

脳の中の「地図」に「緯度」や「経度」を与えるような働きをしているのが「グリッド細胞」。

「場所細胞」と「グリッド細胞」が連携して働くことで、

自分がいる空間の地図を脳内に作ったり 目的地に迷わず行けたりする。

 

ヒトにも「場所細胞」や「グリッド細胞」があるとわかってきており、

アルツハイマー病などの解明につながる可能性があるそうです。

空間の記憶と時間や体験などの記憶がどう統合されていくのか・・・その解明が今後の課題とか。


 ⇒日経サイエンスの記事がわかりやすかったので関心のある方はコチラ

ラットに刺激を与えて反応をみるという研究が多いなか、

自由に動ける空間を与えて研究したというのが斬新だったそうです。

 

この記事の「グリッド細胞」から思い起こしたのは 「グリッド捜査」という言葉でした。

ジェフリー・ディーヴァー著「リンカーン・ライム」シリーズに出てくるのです。

頚椎損傷で四肢麻痺の科学捜査官リンカーン・ライムと、

彼の手足+五感となって活躍する新人アメリア・サックス。

たしか30㎝角くらいの碁盤目状に3次元空間を区切りながら、

事件現場に残る微細証拠物を見つけて採取していく場面が素晴らしいのです。

秋の夜長にジェットコースター・スリラーを楽しみたい方に おすすめのシリーズです。

   ⇒シリーズ第1作「ボーン・コレクター」は映画化されました。

シリーズ第7作「ウォッチメイカー」まで持っています。

久しぶりに読み返してみたくなりました。

第8作は文庫版が出たのかな? さがしてみよう (=^・^=)


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朝日新聞『科学』2014.10.9 ノーベル医学生理学賞
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