原発差し止め訴訟の判決文

大飯原発の運転差し止め訴訟の判決が21日に福井地裁であり、

原告団の掲げる 『司法は生きていた』 との言葉がとても印象的でした。

今朝の新聞に掲載された「判決要旨」を読んで、

理路整然としてわかりやすい表現に感動してしまいました。

原発の安全性とか地震の想定とか 専門的でわかりにくい問題を、

「生命を守り生活を維持する」という観点から論じています。

なかでも 次の一文には拍手喝采してしまいました。

 

「当裁判所は、多数の人の生存そのものに関わる権利と

 電気代の高い低いの問題等を並べて論じるような議論に加わったり、

 その議論の当否を判断すること自体、法的に許されないと考える」

 

愛媛県には伊方原発があります。

原発のことが話題にのぼるとき、

必ず『経済』のことも出てきます。

そもそも 『原子力の平和利用』 って何なんだ。

いつもうやむやになって 尻すぼみになってしまうのだけれど、

電気代のことや雇用のことも一緒くたに論じることに ずっと疑問を持っていました。

 

「豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、

 これを取り戻せなくなることが国富の喪失だと当裁判所は考える」

 

『司法は生きていた』という言葉とともに、

この判決要旨文をじっくり読み直してみようと思います。

そして うやむやに流れないように。

経済より いのち。