賢い患者になる

病院の選び方とか 医者のかかり方とか がんや認知症や 医療の本がよく売れています。

過激なタイトルやら いっそう不安を煽りそうなものやら いろいろあるようですが、

賢い患者になろう という啓発なら大賛成です。

権威主義&お金儲け主義に振り回されないように。

いざという時に慌ててしまって 低レベルな『専門家』に丸投げしないように。

Dr.和の町医者日記 の記事に大きな拍手を送りたくなりました。

まだナースとして病院で働いていたころの苦い記憶。

80歳を過ぎていた身内が『がん』の診断を受けたときのこと。

心疾患の持病もあったので本人に明確な告知はせず、

積極的な治療をしない方針でした。

しかし 身内のひとりが、

 「治療法(手術)があるのに放置するのか」 という医師の一言でぐらついてしまいました。

その結果 高齢で心疾患があっても手術可能な病院に転院したのですが、

遠い病院の大部屋で 一気に寝たきり状態になり “変なこと”を言うようになりました。

けっきょく手術不適応という診断で 転院先でそのまま亡くなりました。

 

本人が何を望んでいるのか確かめることもしないまま

家族の中で真剣に話し合うこともしないまま なりゆきに任せてしまいました。

手術のために転院するという方針に疑問を持ちつつ、

その行く末が想像できる職場にいつつ、

医者の言うとおりにするべきだという まっとうな言い分に逆らう気はなかった私でした。

今なら 決してそんなことはしないと断言できるのに。