こころしてふれる(4)

家族の定期受診に付き添って、

これまでブログに何度か登場している病院に行ってきました。

学校や職場の健康診断で 胸のレントゲン写真を撮った経験はおありでしょうか?

脳性マヒで電動車いすを使用している人が胸のレントゲン写真を撮る

   ・・・そんな場面を想像してみてください。

いろいろな障がいの人の写真を どうやって撮るのか。

介助経験のある人や 専門職の人なら知っている?

答えは ノー ですね。

 

でも ここで話題にしたいのは知識やスキルのことではありません。

「専門職」と呼ばれる人が、

目の前にいる人の“顔”を見て仕事をしているか 単に作業をこなしているのか、

患者にとって 大きな違いです。

 

前回の検査のとき、

職員の“指示”どおり ひとり頑張って必死にバーをつかんで立位を保った彼でした。

  「頑張ったらできないことはないと思ってやった」  と彼。

  「そこは頑張るところではありませんでした」  と私。

  もし力尽きたり バランスを崩しそうになったりしても、

  そばで支える人は誰もいないのですから。

  もし「転倒事故」になったりしたら 惨めで嫌な思いをするのは彼なのですから。

  

今回もし同じ状況になったら  「『できん』と言え!」 と伝えていました。

私の密かな期待に反して すんなり車いすに座ったまま撮影されたそうで、

  「じゃあ この前あんなに頑張ったのはなんだったんだ!」 と彼。

  「前の前の時は立たなくても良かったんだから 患者も賢くならにゃあ」 と私。

 

「すごく頑張ったらできないことはない」 と 「できる」 は違うんじゃないの?

あるいは 「一部介助」 の 「一部」 って どれ? どこ?

障がい程度や介護度判定のために 紙の上でやらされていること。

一歩でも正常に近づくために 「リハビリ」「訓練」と称してやらされてきたこと。

私たち自身が惑わされないようにしなければ。

 

専門職の方へ

“指示”されたら 無理してでもやろうとするのが患者だということを知ってください。

言いたいけど 我慢したり諦めたりするのが患者だということを知ってください。

「言ってくれたらよかったのに」「患者さんがいいと言ったから」

  ・・・などど傲慢なセリフを吐かないでください。

作業ではなく 仕事をしてください。