今日ご紹介する本は、
「西川勝著『となりの認知症』ぷねうま舎」
私の座右の書『ためらいの看護』の著者の新刊です。
コミュニケーションを哲学すると、
伝わらないことの豊かさが見えてくる!
コミュニケーションの良し悪しを「伝わるか」「伝わらないか」という地点で見てしまうと、
人と人との関係は とても薄っぺらい。
「コミュニケーション力」を個人の能力として見てしまうと、
日々の暮らしは とんでもなく窮屈で恐ろしい。
そのときの状況 自分では意図しない声や身体(からだ)の表情 などなど。
「勝手に伝わってしまう」こと が 「伝わらない」ことを生んでしまうから面白い。
「伝わること」を絶対の善とする価値観に疑問を持ってみると、
コミュニケーションが苦痛ではなくなるかもしれません。
『伝わらないことのおもしろさとは、伝わらないという事態に直面した自分と相手とが、
そこでいったん、そのままではいさせてもらえないという状況に放り込まれることにあります。』
(「となりの認知症」130頁)
そこから始まる新しい経験を お互い面白がることができたら、
それが 豊かなコミュニケーション ってものなのかもしれません。