起業を考えるきっかけになった 一年前の家族の入院でのエピソードから。
治療の経過が見通せる入院だったので、
昼間は私が付き添うつもりで4人部屋にしました。
でも、
カーテンの向こうで交わされる 同室の患者さんたちと職員のやりとりを聞いていられなくて、
個室に変わりました。
逃げ出しました。
指導管理の名の下の 強者-弱者(患者) のやりとり。
あるいは 笑うに笑えない ちぐはぐなやりとり。
それでも 患者さんたちが 「ありがとう」「すいません」を言い続けることが辛かったのです。
それでも ナースコールを押して「お願いします」と言わないといけないのだから。
「理解力や判断力がなくて指示がとおらない」・・・
「ニンチが入っている」(注:認知症だということらしいです) ・・・
そんなふうに見ているから、
患者さんを幼子のようにあしらったり叱ったりできるのだろうか。
患者さんたちが「ありがとう」「すいません」と言っていることに鈍感すぎる。
「治療の場」「安全管理」という名分で、
外の世界ならあり得ないことが行われているのではないのか。
自分が弱者であることを受け入れて適応しようとしている
・・・そんな患者さんの“痛み”に対して 感受性を取り戻してほしい。
きっと新人の頃は違っていたはずだから。