「人生に気を悩ますのは『現実』への執着のせい。

 けれどこの世は諸行無常、人生は夢のようなもの

 いちど執着や是非の判断を離れて眺めてみましょう。」

  (永井政之監修「ふっと心がかるくなる禅の言葉」ナガオカ文庫30頁より)

 

漬け物で知られる沢庵(たくあん)和尚は、

臨終のとき 「夢」という書を残されたそうです。

自分自身の「老い」を実感したのは、

50歳を過ぎたころからの視力の衰えです。

54歳の今、老眼鏡のお世話になる機会が増えました。

 

そして、今年の春。

親の「老い」という現実に向き合いました。

自分の親のことは 知識ではどうにもなりません。

信頼できるケアマネージャーが介入してくれたことで、

あたふたの末 最初のヤマを超えて落ち着きました。

親も私も それなりに「老い」の現実を受け入れることができたのかな。

 

この世の現実への執着に気づき、

ほんの少し高みから眺めることができたらいい。

 

おふくの床の間にかけた「夢」の色紙

足利紫山

(臨済宗の高僧 閒雲室)

百歳のときの筆だそうです。

 

すっきりと いさぎよい。